Huopatpssut

フオパトッス(フエルトブーツ)

Feb 4, 2019

暖冬とは言え流石に年明けから寒い日が続いています。冬のとても寒い日、氷点下10度以下ぐらいだと、長時間外で過ごす時には随分気をつけて防寒しても、どうしても足の指先は冷えてしまいます。

私がフィンランドでフオパトッス(フエルトブーツ)に出会ったのは、もう 20 年以上も前。南フィンラン ドに位置するハメーンリンナという街に住んでいた私がラップランドに引っ越すことにな った時でした。友人が、《あそこではこれが絶対に必要だから持って行きなさい》と、お嬢さんが子供の頃使っていた真っ赤なフエルトブーツをくださいました。私は足のサイズが22cmと小さめなのでこちらでは子供靴サイズなんです。

正直言って、その時はこれが必要なの?という気持ち。モコモコした裏地もついていない、 頑丈な靴底もない、持つと軽くまるで室内履きのようなこのフエルトブーツが氷点下 25度の世界でどのように必要なの?と思いました。《本当に外で履くの?》と確認した記憶 があります。

バリバリの氷点下の世界に降り立ち、はじめてこのフエルトブーツに足を入れた瞬間の感動は忘れられません。

今まで感じたことのないやさしい温さ!そして軽さ!それでいて一日履いていても蒸れない通気性。

それまで、とりあえずレンタルした重厚な防寒ブーツを引きずるように履いていた私には画期的な体験でした。

フエルトブーツはもともと 1800年代の末期にロシアからフィンランドへ入ってきた文化です。

その後、フエルト文化はフィンランドで根付き、今でも時代と共に進化しながら手作業で作り続けられています。フエルトは純粋にウール 100%を原料として、水を使いながら摩擦を加えて形作っていくもので、生産プロセスでは常に素材との会話が必要です。機械では代用できない厳密さが求められるのです。

現在では長靴スタイルだけでなく室内で使えるスリッパやスリッポン、明るい斬新な

色合いのものなどトラディショナルから脱出した形で進化し続けています。

今日、仕事場に行く時履いて行きました。靴底が丸いので確かにちょっと歩きにくいのは確か。

でもこの暖かさには変えられません。。