Ryijy, Tarina Karhusta ja Otavasta
クッション製作 no2 :ルイユ、クマと北斗七星のストーリー

今年最初の仕事のクッション展のために製作した作品についてのお話。
第2話はルイユ (Ryijy)です。
ルイユはフィンランドの伝統的な織物の一つで、土台となる部分を織りながら短く切ったウールの糸を結びつけて織り込んでいく毛足の長い織物です。
元々は布団や毛布のようにかけたり包まったりして使っていたものですが、時代とともに使われなくなるとタペストリーのように壁にかける装飾テキスタイルとなっていきます。
近年は今までにはなかったモチーフをデザインしたり、斬新なレイアウトや色、形、素材を使い、ニュータイプのルイユと形を変えて伝統が繋がれています。
今回は伝統的にウールの糸を使い製作しました。形もテーマも斬新なものではありません。クマと北斗七星。北斗七星はおおぐま座のお尻と尻尾の部分です。この2点はクマつながりのセットなのです。
フィンランドでは昔、クマは星から降りてくると信じていました。クマ狩りをし、その全てを最大限に利用した後には、クマの頭蓋骨を木の先端の掲げ、他の部分の骨はその木の根元に埋葬する、というセレモニーもありました。それはクマがまた空に帰り、そしてまた降りてきてください、という祈りでありました。
もともとルイユは織り機の上で織り込んで行くものですが、織り機を自宅に持つ人が減り始めてから、針と糸で縫うように製作できる材料ができました。今回はその方法で作っています。
製作途中はこんな感じです。
土台となる布は必要分だけ切り売りされています。糸は手持ちのあまり糸も利用できます。
この方法だと、土台の布と糸と針、ハサミをカバンにつっこみ、どこにでも持ち歩けるので便利です。織り機がなくてもできるし、隙間時間にできるので実にありがたい。
出来上がりはこんな感じ。
2つセットでお買い上げいただきました。ありがとうございました! こんなモコモコとしたクッションがあったら可愛いな、と思ってファスナー付きのクッションとして作りましたが、買われた方は、「紐を縫いつけてバックにします」・・とおっしゃっていました。それも楽しそうです。笑